新型コロナウイルス対策として、オンラインによる業務のリモート化を目指す企業は少なくない。なかにはこの機会にフルリモート化を目指す会社もあるだろう。とはいえ、フルリモート化はそう簡単に実行できることではない。
スムーズにオンライン化できる業務とそうでない業務があり、慣習や予算上の課題もある。そんななか、フルリモート化を成し遂げたD2Cファッションブランドが『ELENORE』だ。
2020年5月15日(金)にデビューコレクションの発売を開始
『ELENORE』は、カリスマアパレル店員出身のインフルエンサー、山本梓衣菜氏がディレクターを務め、2020年5月15日にデビューコレクションの販売を開始した。
注目すべきは、ブランドのオープンまでに要した期間がたったの1ヶ月、しかも全スタッフが完全リモートという状況だったことだろう。
CGでシミュレーションを実施する完全オンライン環境
生産性の高さを実現しているのは、完全オンライン環境だ。『ELENORE』ではCGによる最先端シミュレーション技術で不要な生産を行わず、サンプル制作工程を大幅に削減。仕様書段階から最終サンプルまで、通常3ヶ月近くかかる工程をわずか3日に短縮している。
さらに、サンプル確認や修正をすべてオンライン上で行うことで、超短期間でのブランドオープンを実現した。今後もCG技術を使用した完全受注生産を実施するとしており、これによって在庫消化率99%を目指すとともに、利益率も10%程度向上させられるという試算だ。
接客会もオンラインで実施
『ELENORE』は、2020年5月13日から3日間オンライン接客会を開催。予約受付開始から2分で全枠満員となった。今後も毎月オンライン接客を開催し、ディレクター本人から直接お客様へ商品を紹介する機会を設けていくとのことだ。
オンラインによるフルリモート化によって効率を高めるのみならず、オンラインならではの新たな価値を提供しようとする同ブランドは、今後リモート化を目指していく上で大いに参考となる事例だ。
ブランド情報
- 『ELENORE』