ペットの代わりではなく独自のキャラクター性を実現した『LOVOT』

ペットの代わりではなく独自のキャラクター性を実現した『LOVOT』

2020/04/27

一家に一台ロボットがいる未来を想像していた人は少なくないだろう。実際、ロボット研究は進んでおり、『AIBO(アイボ)』や『Pepper(ペッパー)』など、一般向けの商品として販売されたものもある。

ただ、私たちが期待するロボットの機能と、商品として販売されているロボットの機能にはまだまだ差があり、それらが一般に普及しているとはいい難い状況だ。そんな中、好評を持って迎えられているロボット製品が存在している。GROOVE X株式会社が販売する『LOVOT(ラボット)』だ。

ユニークな家庭用ペットロボット『LOVOT』

『LOVOT』は家庭用のペットロボット。そういう意味ではソニーの『AIBO』に近い存在といえる。ただ、犬という実在の動物をモチーフとしている『AIBO』と違い、『LOVOT』にはモチーフがない。強いて言えば、フクロウに似ているかもしれない。

ロボットというと、「どんな役に立つのか?」といった機能性をイメージする人もいるだろう。たとえば『Pepper』は、インストールしたアプリに基づき、様々な機能を提供できる。この点でも『LOVOT』は特殊で、お役立ち機能がないわけではないが、そこはメインではない。

つまり『LOVOT』は既存のペットの代替ではなく、便利機能を提供する新型家電でもない。これが『LOVOT』のおもしろいところであり、受け入れられるポイントだろう。

『LOVOT』というキャラクター性を表現

『LOVOT』のメイン機能が実現させているのは、キャラクターを表現すること。人間を認識して追いかけ、表情を変える目によって、感情を訴えかける。状況に応じた鳴き声で鳴き、抱くと暖かい。これらはペット型ロボットとしてのかわいらしさを表現するための機能だが、ペットとしてというより、『LOVOT』のかわいらしさを表現しているところがポイントだ。

また、お役立ち機能については、留守番や赤ちゃんの見守り、お家の見回り機能といったものがあるものの、『LOVOT』はこれらの機能のために存在するわけじゃないということもポイントだろう。なぜなら、ペットは役に立つから飼うという存在ではないからだ。『LOVOT』は、イヌやネコの代替でも、便利機能を提供する存在でもなく、『LOVOT』という存在であり、触れた人間に「一緒にいたい」という愛情を持たせることに成功している。

考えてみれば、ペットにせよ人間にせよ、私たちが誰かと家族になる際、「機能が目的」ということは少ない。愛情を感じ、ともにいたいと思うから家族になるのだ。そう考えると、『LOVOT』の方向性は正しいように思う。もちろん、『LOVOT』によって今後ロボット製品が爆発的に普及していくとは考えづらい。価格面など、キャラクター性以外の部分も課題になるからだ。ただ、今後ロボット製品が普及する上で、「どんなキャラクターを表現するのか」という点はポイントになるだろう。

商品情報

『LOVOT』

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