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一般社団法人CiP協議会が、「With コロナウイルス 新しいコンテンツ戦略へのステートメント」を発表した。
CiP協議会は東京・港区に「コンテンツ×デジタル」産業の拠点を形成する活動母体。コンテンツを核とする事業の研究開発・人材育成・起業支援・ビジネスマッチングを柱に活動している。
「With コロナウイルス 新しいコンテンツ戦略へのステートメント」は、「場作り」「新ビジネスモデルの創造」「特区」「ジャンル横断」「人材育成」の5項目から構成。新型コロナウイルス感染拡大によって抑え込まれたエンターテイメント需要の喚起を目的としている。
「場作り」の項目ではライブハウスやイベントスペースの救済や、そこに集う人々やスタッフのコミュニティー、そこで育まれてきた文化を保護する策を提案。家賃減免を条件としたオーナーへの固定資産税減免措置、ドネーション分配制度の整備などが掲げられている。
「新ビジネスモデルの創造」では、ライブやイベントの配信による開催、既存コンテンツのオンライン公開などが外出自粛要請後に急速に広まったが、新たな価値の提供や収益化が実現できていないという状況を踏まえ、デジタルトランスフォーメーションの促進、テクノロジーとエンターテイメントのコラボレーション機会を創出すること、コンテンツ制作のパラダイムシフトを促進することなどが挙げられている。
「特区」では海外向けビジネス税制緩和や、外国人雇用拡大のための規制緩和などを提案。国際分業が進むアニメーション業界を例に、「特区」を用いてCGやVFXの制作会社を集積させている海外の事例を参照しながら、特区を活用した税制優遇策を実現し外国人雇用拡大のための規制緩和を訴えている。
「ジャンル横断」では日本のコンテンツを国外にアピールするにあたって、漫画、アニメ、ゲーム、音楽などのコンテンツを横断的に発信することを提案。同時に、著作権問題の協働解決も目指すべきとしている。
「人材育成」では大きな変化が予想される従来の学校制度の状況を踏まえて、未来志向人材の評価と育成、新規ビジネスの創造支援が必要であるとしている。
新型コロナウイルス感染拡大以後、急激に価値観の転換を強いられている現代社会。このステートメントで提案されている施策やアイデアは、エンターテイメントだけでなく様々な業界に当てはめて考えることができるだろう。