「レゴ」のブロックといえば、子ども向け玩具のイメージが強いかもしれない。しかし、大人のホビーとしても十分楽しめる奥深さを持っている。
レゴ認定プロビルダーが組み上げた作品は芸術品といってもいいレベルだし、駆動パーツを組み込みコンピュータで動作をプログラミングする「マインドストーム」などは、もはやロボット開発だ。
そんななか、レゴが発表したのが『大人のレゴ』という戦略。はたしてこの戦略では、どんな製品がリリースされるのか?
大人が楽しむ『大人のレゴ』
『大人のレゴ』とは、読んで字のごとく、より趣向をこらした大人も楽しめる製品を展開していくという戦略。これまでレゴが押し出していた玩具という側面よりも、より嗜好品としての側面が押し出される。
たとえば、自動車をモデルとしたセットでは、自動車の外観だけでなく、変速機やステアリング装置などといった内部機構までブロックで作ることができるという。さらに、モデルは架空ではない往年の有名な実車から選ばれるとのことなので、自動車好きにはたまらないラインナップになりそうだ。
もちろん、自動車はほんの一例で、バイクやインテリア、建築物、さらには映画やドラマなどもリリース予定だという。
現在発売中の『大人のレゴ』3種
1つめは、映画『ワイルド・スピード』に登場する主人公の愛車「ダッジ・チャージャー」を再現した『レゴ ワイルド・スピード ドムのダッジ・チャージャー』だ。
V8エンジンや動くピストン、ウィシュボーン式サスペンション、ステアリングシステム、エアブロワーなどのディテールがリアルに再現されている。
2つめは、映画『甘い生活』に登場する、イタリアの名車「フィアット 500F レジェンド」を再現した『レゴ クリエイター エキスパート フィアット 500』だ。
こちらも、サンルーフや荷物ラック、エンジンなどのディテールが隅々まで再現されている。
3つめは、サッカースタジアム「オールド・トラッフォード」を再現した『レゴ クリエイター エキスパート オールド・トラッフォード -マンチェスター・ユナイテッドFC-』。
巨大なスタジアムを再現しているだけあって、構成するピースも3898ピースとボリューミーだ。
もちろん、ディテールもしっかり作り込まれており、ユナイテッド・トリニティ像やサー・アレックス・ファーガソン像、ミュンヘン・メモリアル・クロックなどが見事に再現されている。
レゴならではのデフォルメ感が魅力
ビジネスとしての観点から『大人のレゴ』という戦略は、フィギュアやプラモデルの領域と食い合うように見えるかもしれない。
確かに消費者の可処分時間という切り口で見れば食い合っているのだが、商品の魅力として見た場合、『大人のレゴ』独自の魅力が存在していると言えるだろう。それは、レゴ独自の組み立てる楽しさや、レゴならではのデザイン性、そしてほかの製品と組み合わせる楽しさだ。
とくにデザインについては、リアルでありながらもレゴの個性を残したビジュアルになっている点が興味深い。
製品情報
- 『レゴ』公式サイト