新型コロナウイルスの影響で人との接触や外出を避けなければならない現状で、VR技術は様々な課題を解決する可能性を持っている。VR技術を使うことで仮想世界にもかかわらず、現実と錯覚するほどの体験が作り出せる。驚くほどの臨場感があるのに、仮想世界だから人との接触はない。もちろん、外出も必要ない。
ただ、VR技術のメリットはこれ以外にもある。それは、一切の危険なく現実のシミュレーションが行えるということだ。たとえば高所での作業や、危険物を取り扱う作業などを安全が確保された状態で体験することができる。
株式会社アルファコードが制作した『林業安全教育360VR』も、こうした目的のために作られた実写VRコンテンツだ。
林業において遭遇する命にかかわる危険
林業における産業別死傷年1000人率(1000人あたりの死傷者数)は、22.4人(2018年度時点、全産業平均の約10倍)と著しく高い水準にある。労働安全性の向上は必須の課題だ。
林業でどんな危険が待ち受けているのかというと、たとえばチェーンソーを使った作業。チェーンソー自体が安全性に気を付けて取り扱わなければならない器具だが、無事に木を伐採した後にも危険は待っている。それは、木が自分に向けて倒れてくる可能性だ。こうした危険な体験は現実に起こり得ることだが、実際に体験することは難しい。
高精細VRで危険体験を何度もトレーニング
『林業安全教育360VR』は、11Kという高精細な実写VRによって林業の研修が行える。単なる映像コンテンツと違い、臨場感の高いVRだからこそ、現実に近い感覚で危険に遭遇した時が体験可能。そして、仮想世界だからこそ、安全に何度でも繰り返しトレーニングできる。
また、時間や場所を問わず一人でも研修可能なので、指導者の現場作業を止めることがないという点もメリットだ。