1982年に神戸で創業し、現在は大阪に本社を置くドイツ・オーストリアワイン専門の輸入卸商社「ヘレンベルガー・ホーフ」が、動画の力で海外のワイン産業を救うべく、WEBで積極的な取り組みを行なっている。
現在、ヘレンベルガー・ホーフは、新型コロナウイルスの影響で従業員の7割が在宅勤務。イベントや出張・営業も自粛、ヨーロッパの醸造所ツアーもキャンセルとなり、顧客である飲食店や百貨店も休業のため大変厳しい経営環境にある。そして醸造元のドイツ本国も全て休業、醸造所の試飲販売も禁止されている状態だそうだ。
しかし、若手社員からの「こういうときだからこそ自社にしかできないことをしたい」という提案をきっかけに、社員一丸となってWEBでの取り組みを開始。これまで築いてきた生産者との深いつながりを軸に、まずは現地のワイン造りの背景がより顧客に伝わるように、生産者自身に説明してもらう1分動画を字幕付きで作成し、毎週水曜の配信をスタートさせた。
また同社の代表が自らYouTubeチャンネルを立ち上げ、ドイツワインの基礎的な情報や生産者の詳しい情報をまとめた10分程度の動画も週2回配信している。
さらにWEBを通じて、ドイツ・オーストリアで苦しんでいる取引先の生産者たちとミーティングを行ったり、Zoomを活用したオンライン飲み会を行って日本全国の酒販店・飲食店に商品を告知。ほかにも、現地とつないで同じワインを楽しむイベントを4月に初開催し、5月も10回を超えるWEBワイン会を開催予定だという。
年に2度、3日間にわたって開催され、700名を超す来場者で賑わっていた名物試飲会「ハウスメッセ」も新型コロナの影響で中止となったが、展示会場を再現して動画で撮影し、「バーチャル・ハウスメッセ」として配信している。
地道な取り組みが功を奏し、5月は2019年の実績を大きく上回る客数となったという。現在は視聴者1万人を目指す「#1万人でツンボール」キャンペーンを実施中(※「ツンボール」とはドイツ語で「乾杯」の意)。
企業情報
- 『ヘレンベルガー・ホーフ』