日本と宇宙をつなぐ『スペースポートシティ構想図』

日本と宇宙をつなぐ『スペースポートシティ構想図』

(メイン画像:All images ©2020 canaria, dentsu, noiz, Space Port Japan Association. All Right Reserved.)

いま、あらためて宇宙に注目が集まっている。NASAは2024年までに宇宙飛行士を月面に着陸させる「アルテミス計画」をすでに発表しており、その後は月面基地計画や火星への輸送計画も検討しているという。イーロン・マスクが設立したスペースX社は民間企業ながらロケット事業を軸に幅広く展開し、月周回旅行については前澤友作が最初の乗客として名乗りを上げたことで日本でも大きな話題となった。宇宙を旅することは空想世界だけの出来事ではなくなってきているのだ。

ほかにも多くの新興宇宙企業などが誕生しており、宇宙ビジネスはこれまでになく活発化していると言っても過言ではない。ビジネスの規模は現在の約40兆円から30年後には100兆円を超えるとも言われており、人類に残された最後のフロンティアとして大いに期待されている。

宇宙船の離着陸が行われる「スペースポート」

宇宙ビジネスが大いに盛り上がるなか、一般社団法人Space Port Japan(スペースポート・ジャパン)は、現在の空港のように人や物資の輸送の際に宇宙船やロケットの発着場となる「スペースポート」を建設するため、国内外の関連企業や団体、政府機関などとの連携を模索している。

その一環として、建築・デザインの活動体noizが『スペースポートシティ構想図』を公開した。曲線を多用した有機的なデザインになっており、ごく近い将来に予想される商業宇宙旅行とその関連産業を集約する、新しいタイプの複合商業空港になっているという。

スペースポートまでの移動と水平離着陸型商業宇宙船の運航を接続するだけではなく、宇宙に関する様々な学びや発見、研究やビジネス拠点など、関連するあらゆる活動を集約する施設として計画されており、宇宙ファッションショーから国際会議まで、宇宙に関する様々なイベントが開催されることが想定されているそうだ。

利用者に優しい多機能型複合商業空港

スペースポートは目的ごとに異なるサイズの球体型の施設が配置されており、それらを可動式ソーラーパネルで覆って巨大な一つのランドスケープを形成するよう構成されている。可動式ソーラーパネルはただ単に屋根としての役割を持つだけでなく、地形のような凹凸に大小さまざまな中庭や森も設置されるという。

全3階建ての建物の内、2階と3階は到着・出発フロアとして使用され、地上階には荷捌きやバックオフィス、そのほかのサポート機能が配置される。地下には鉄道駅や駐車場などが配置されるとのことなので、現在の大型空港の拡大発展版と考えれば想像しやすいかもしれない。

巨大な空港というと、大きな荷物を持って結構な距離を歩き回ることになることも多いが、このスペースポートではシステムで、自律モビリティ、自律ループトレイン、電動スクーターやデリバリーロボットなどを全体制御しているため、来訪者や従業員、さらにこの施設内のあらゆるモノやアイテムは必要な場所にすばやく移動する / させることができるという。無人のカートが迎えに来てくれて、目的の場所まで自動で乗せていってくれるのであれば安心だ。

また、バリアフリーについても、多様な要求に対してシステムによる運用上の制御で調整可能なように想定されており、身体的な障がいだけでなく、多言語や文化に対するサポートを前提としたより広義のバリアフリー性を備える計画になっているという。

宇宙旅行は遠い未来ではない

まだまだ遠い未来のことのように思える宇宙旅行だが、現実は想像よりも早く迫ってきている。課題も残っているが、いままで使い捨てだったロケットの再使用に関する実験も繰り返し行われており、この技術が確立すれば輸送コストが格段に抑えられると言われている。そうなれば宇宙旅行は一部の大金持ちだけが可能な旅行ではなく、より身近な存在になるだろう。

今回公開された「スペースポート」の各ブリッジの上層階にあるガラス張りのラウンジから、宇宙へ向かう船の離着陸を見る日が来ることを期待したい。

サイト情報

『Space Port Japan』
noiz『スペースポートシティ構想図』

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