閉塞感を感じるいま、「渋谷渦渦」がチャレンジを提供する理由

閉塞感を感じるいま、「渋谷渦渦」がチャレンジを提供する理由

2020/10/23
渋谷渦渦
インタビュー・テキスト
村上広大
撮影:豊島望 編集:今井大介(CINRA.NET編集部)

「建物を作るだけではなく、カルチャーを作ることが次に我々がすべきことなんじゃないか」(星野)

―それこそ街全体を活用したプロジェクトは、大きな予算があるからこそ実現できるものだったりしますよね。でもそれを一般の人がやろうとしても難しい。今回のプログラムでは、支援の対象を一般層にまで落とし込んでいることに意味があると思っています。

五十嵐:まさにそうですね。今まではどちらかというと規模の大きなものが多かったので、これを契機に規模に関わらずおもしろいプロジェクトに注力していければと考えています。まだ種の状態から一緒に育てて、それが2年後、3年後に大きく花開けばいいなと思っています。

星野:だから今回のプログラムでは、場所の提供として東京カルチャーカルチャーを利用できるだけでなく、50万円の資金補助やメディアを活用した告知協力など、東急としてもさまざまな面でサポートできる体制を整えています。

―50万円の資金補助はすごく大きな価値だと感じます。

五十嵐:個人的にも大盤振る舞いだなと思っています(笑)。応募者の方にもメリットに感じていただければ嬉しいです。これまでの協賛イベントでも、会場だけでなく協賛金の要望は多かったので。また今回のプログラムでは、告知協力についても力を入れていく予定です。例えばスクランブル交差点の大型ビジョンQ'S EYEも活用したりできればいいなと考えています。

五十嵐友莉花

―渋谷という街を使っていろいろすることって、個人だとなかなかできないですよね。それはすごく貴重な体験になりそうです。

五十嵐:そう思っていただけると、こちらとしてもすごく嬉しいです。あと、貴重な体験といえば、今回は東京カルチャーカルチャーに所属しているプロデューサー陣にアドバイザーとして参加してもらえることになっています。これまでさまざまなイベントを手掛けてきたプロフェッショナルなので、大きな力になるんじゃないかなって。これまで場所を提供するまでしか踏み込めなかったので、ソフト面でもいろんなことに取り組んでいければいいなと考えています。

星野:建物を作るだけではなく、カルチャーを作ることが次に我々がすべきことなんじゃないかと考えはじめているんですよね。いくら素敵な空間があっても、それをどういう人が使うかによって、まったく違う雰囲気を持った場所になるんじゃないかなって。

星野ゆり

―それで言うと、渋谷ストリームや渋谷スクランブルスクエアといった新たな場所が完成したことも大きいですよね。

五十嵐:そうですね。これまで私たちが提供できるイベントスペースって、ヒカリエホールしかなかったんです。でも、ちょっと規模が大きいので、そこにたどり着くまでの間に使えるちょうどよい大きさの施設がありませんでした。でも、ここ数年で渋谷キャストや渋谷ストリームに多目的スペースができたことで、うまく実施規模を大きくするためのステップを踏めるようになった気がしています。今回のプログラムもうまく軌道に乗せることができれば、どんどん規模を大きくしていけると考えています。

左から:星野ゆり、五十嵐友莉花

プログラム情報

『渋谷渦渦 ~あつまれ!SHIBUYAイベントチャレンジ~』
『渋谷渦渦 ~あつまれ!SHIBUYAイベントチャレンジ~』

ポップカルチャーをテーマに東京カルチャーカルチャーを会場としたリアル+オンラインのハイブリッド型開催イベントの企画公募プログラム。採択者は2021年2~3月の間で実際にイベントを開催できる。応募受付期間は10/23(金)~11/23(月・祝)まで。

プロフィール

星野ゆり(ほしの ゆり)

東急株式会社 沿線生活創造事業部 エンターテインメント戦略グループ 企画担当
2016年にグループ会社の東急メディア・コミュニケーションズに入社。東急エージェンシーへの出向でプロモーションに携わったのち、2018年より東急株式会社に出向。渋谷で開催されるイベントへの関与による渋谷のブランディングを実施し、現在に至る。好きなものは名探偵コナン。最近は「あつまれ どうぶつの森」に夢中だが、家にWi-Fiが通っていないので誰の島にも行けていない。

五十嵐友莉花(いがらし ゆりか)

東急株式会社 沿線生活創造事業部 エンターテインメント戦略グループ 企画担当 主事
2014年に東急電鉄(現 東急)に入社。渋谷ヒカリエの文化用途施設の運営を経験し、建物をより面白くするためのカルチャーづくりに尽力。2019年より現部署に異動し、東急の保有アセットを活用した興行や新規事業の検討を行う。POPSのデイリーランキングをチェックするのが日課。最近はテトリスにハマりe-sportsプレーヤーを目指し、日々トレーニング中。

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『CUFtURE』(カフチャ)は、au 5Gや渋谷未来デザインなどが主導する「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」とCINRA.NETが連携しながら、未来価値を生み出そうとする「テクノロジー」と「カルチャー」の横断的なチャレンジを紹介し、未来志向な人々の思想・哲学から新たなヒントを見つけていくメディアです。そしてそれらのヒントが、私たちの日々の暮らしや、街のあり方にどのような変化をもたらしていくのか、リサーチを続けていきます。