サン・ペドロの小学校でマスクをつけて授業を受ける子どもたち。(コートジボワール、2020年5月18日) © UNICEF_UNI330895_Frank Dejongh
新型コロナウイルス(COVID-19)は世界にどのような影響を与えたのか。「ユニセフ(国際連合児童基金)」を含む、36の国際機関が共同で作成したレポート『新型コロナウイルスが世界をどう変えたか:統計的展望』(原題:How COVID-19 is changing the world:A statistical perspective)が発表された。
なかでも、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動するユニセフが作成した子どもたちの生活に焦点を当てた報告書によると、新型コロナウイルス感染症は、特に最貧困層の子どもたちの生活に壊滅的な影響を及ぼしているという。
報告書には、最貧困国や最貧困層の子どもたちは「命を守る予防接種を逃したり、暴力のリスクが高まったり、教育を中断したりすることによってパンデミックの影響の矢面に立たされ」「COVID-19の拡大を緩和するための緊急の行動がとられない限り、肺炎、下痢性疾患、マラリア、HIVなどの予防や治療が可能な疾患で命を落とすリスクがある」と示されている。
また、こういった最貧国の子どもたちに感染を防ぐための効果的な手段である石鹸や清潔な水が行き渡らないこと、さらに人同士のコミュニケーションを限定する必要がある環境ではインターネットやデジタル技術に頼る部分が大きくなるが、インターネット環境が整っていないため、教育の危機がさらに深まることを危惧している。
暴力のリスクも高まっており、1歳から14歳の子ども10人のうち約8人が過去1カ月の間に自宅で保護者から何らかの形の心理的な暴力か体罰、またはその両方を受けているという衝撃的な報告も挙げられている。感染拡大を防ぐためステイホームが推奨される現状では自宅以外に逃げ場がないため、子どもや女性が家庭内で保護者やパートナーから暴力を受けるリスクが高まっているそうだ。
新型コロナウイルスに関するユニセフの情報は、日本ユニセフ協会の特設サイトからも確認できる。
サイト情報
- 『公益財団法人 日本ユニセフ協会』
- 新型コロナウイルス特設サイト