今は文化を作り直すチャンス。小宮山雄飛が語る地元民目線の渋谷

今は文化を作り直すチャンス。小宮山雄飛が語る地元民目線の渋谷

2020/09/02
インタビュー・テキスト・編集
タナカヒロシ
撮影:天田輔

(コロナ禍で)ただライブができない以上の悩みをみんな抱えていると思います。

―小宮山さんご自身のコロナの影響はいかがですか?

小宮山:音楽ができなくなってしまったというか。家で作ることはできますけど、相当難しくなってますよね。

―やはりライブができないことが大きいですか?

小宮山:そうですね。単純にライブができないだけじゃなくて、それぞれの考えが必要になってきたということも大きくて。関係者内でも、対策してライブしたほうがいいという考えの人もいれば、いまはやらないほうがいいという人もいて。ファンのなかにも、観に行きたい人もいれば、いまは行きたくないという人もいる。それぞれの考えがあることは、いいことではあるんですけど、難しいですよね。何かイベントをやるにしても、毎回それを確かめないといけないから。

ミュージシャンのなかでも、うちは小さい子供もいるから、いまはライブしたくないという人もいますし。レコーディングもスタジオに来たいのか来たくないのか、演奏したらすぐ帰りたいのか、もう少し現場でコミュニケーションをとって演奏したいのか、それぞれ違うんです。だから、ただライブができない以上の悩みをみんな抱えていると思います。

―どうせ悩むなら、音楽のことで悩みたいですよね。

小宮山:そうですね。そこはみんな気持ちよくやって、終わったら打ち上げ行ってイエーイ! ってできればいいんですけど。

―そんななかでホフディランは、4月に“デジャデジャブーブー”、7月に“風の誘いで”と2作の配信シングルをリリースされましたよね。

小宮山:そうですね。コロナを受けてというよりは、制作が始まっているなかでコロナ禍になってしまって。特に“風の誘いで”のほうは、その影響もあって、原型を作ってから3カ月くらい空いちゃったんです。なので歌詞も少し変えました。元は「日常から少し離れて休んでみると、そこに幸せが見つかるかもよ」っていう内容だったんですが、それがコロナでリアルに日常から離れちゃったんで(笑)、そんな新たな日常も非日常も、過去も未来も全部ひっくるめて僕らは超えて行こうぜ! って流れにしたんです。だから感慨深いものはありますね。

ホフディラン“風の誘いで”

―7月に森七菜さんがリリースした“スマイル”(ホフディランのデビュー曲のカバー)でも、サウンドプロデュースをされましたよね。

小宮山:そうですね。最初はオロナミンCのCMでカバーとして使われますよっていう話だったんですけど、おかげさまで評判がいいということで、ホフディランのプロデュースでちゃんと録りましょうという話になって。でも、昨今では、いちばん難しかったです。

森七菜“スマイル”MV

―どういうところが難しかったんですか?

小宮山:もともと自分たちの楽曲なわけじゃないですか。それをリアレンジして、森七菜ちゃんのバージョンでっていうときに、もとの曲のよさも引き継がなきゃいけないし、制作時期は完全にコロナ禍になってからだったので、そのなかで10代の森七菜ちゃんが歌う場合にどうするのがいいか、ギリギリまで悩みました。

最終的にはいいものができたと思うんですけど、むしろ他人の曲のリミックスとかを頼まれたほうがやりやすかったです(笑)。

―自分たちの楽曲ゆえに。

小宮山:ワタナベイビーに至っては、もうわからないと言ってましたから(笑)。まぁ、自分の27~28歳の頃の曲をもう一回アレンジしろって言われてもわからないですよね。

だからほとんど僕が作ったんですけど、どこまでいじっていいかなぁとか、ワタナベくんの気持ちも考えなくちゃいけなくて。ワタナベくんに聴かせるのに、こんなに緊張したのは初めてでしたね。これで「この曲のよさはあそこだろ」みたいなことを言われたら、20年間わかってなかったのかよという話になっちゃうので(笑)。

小宮山雄飛

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『YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング』
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プロフィール

小宮山雄飛(こみやま ゆうひ)

1973年8月14日生まれ、東京都渋谷区出身。ホフディランのボーカル&キーボーディストとして、1996年にシングル『スマイル』でデビュー。ザ・ユウヒーズ、BANK$名義でも作品を発表する。豊富な知識を活かして各種媒体への出演や寄稿などでも活躍し、カレーのレシピ本を出版するなど食に対する造詣も深い。2015年より渋谷区観光大使兼クリエイティブアンバサダーも務める。

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